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みろく沢石炭(スミ)の道を歩いてみよう! [平成27年10月27日(火)更新]

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朝と比べ少し風が出てきましたが、ポカポカ陽気で日向に出ると気持ちがいいお天気のいわき市。
お昼ご飯を食べた後など、お散歩にはピッタリのお天気ですね。
朝と晩は冷え込むため、薄手の上着があると寒くなっても安心ですね。

本日の話題です。
国宝白水阿弥陀堂のすぐそばには、常磐炭田発祥の地みろく沢を結ぶ遊歩道「みろく沢石炭(スミ)の道」があります。
いわきの産業を支えた石炭産業の遺跡を巡りながら、国宝白水阿弥陀堂を建立した徳尼にかかわるオススメスポットもあるとの事!

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平成27年10月25日(日)、とっても気持ちの良い秋晴れの朝を迎えた日、スタッフは国宝白水阿弥陀堂へ来ていました。
9月から3回にわたって開催された地域講座『石炭・炭鉱まちづくり講座「いわきの石炭産業の始まり、発展、そして、閉山」』の現地見学会の一環で今日は石炭(スミ)の道を実際に歩いてきます!

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出かける前に、国宝白水阿弥陀堂駐車場内の観光案内所にて石炭の父、片寄平蔵の紙芝居「燃える石・燃える平蔵 片寄平蔵物語り」を臨場感たっぷりに見せて頂き…

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散策は炭砿(ヤマ)の案内人観光ボランティアの皆さんがガイド役で一緒に同行してもらえます。

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まず初めに到着したのが、阿弥陀堂駐車場から歩いてすぐ「あみだ橋」がかかる白水川(現在は新川)
ここの橋の上からは鮭が遡上するところが見られるのだとか。
穏やかにサラサラと流れる白水川。鮭はあいにく見つけられませんでした。
片寄平蔵は安政3年(1856年)にこの白水川で石炭のかけらをみつけ、この川の上流に石炭の山があると気づいたそう。

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川底が少し盛り上がった場所に、灰色の岩の層が!第1石炭発見です!

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緩やかな坂道をあがって行きます。
ここはへっぴり坂と呼ばれており、江戸時代は馬や牛の背中に藁の俵に石炭を詰めて運んでいました。
俵一つは約60キロはあったとか、それを両端につけて運んでいた為、馬がおならをしながら坂をあがっていた事からそう呼ばれるようになったそうです。
今でこそ舗装された道路を歩けますが、江戸時代はもっと過酷な道だったに違いありません。

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白水川にそって突き出した岩壁に、小さな観音堂があります。
磐城三十三観音第4札所「吊るし観音」です。
中には徳尼の持仏と伝えられる観音様が祀られています。

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ふと川底を見ると、コンクリートで固められています。
採炭の際に川の水が漏水してしまい、あちこちへ流れ込んでしまったためコンクリートで固めたのだそう。

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万石跡。
現在は常磐交通の上入山バス停周辺は石炭の積込所でした。
炭砿専用の線路、入山線が通り、不動山トンネルを走り現在の内郷駅まで石炭を運んでいました。
近くには木造の三抗下橋が残り、かつてここは銀座と呼ばれるほど大変栄えた場所だったそうです。

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片寄平蔵の碑
平蔵の偉業を後世に残す為に掘られたものです。
元は平蔵百年忌を記念し国宝白水阿弥陀堂の境内に建立されていたものを現在の場所に移されました。

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さぁ、石炭発見の地、みろく沢へと向かいます!
歩を進めて間もなく、加納作平翁碑へ到着。
かつて白水町は湯長屋藩の領地であり、笠間藩(現在の四倉町)出身平蔵が石炭を掘り始めるのには大変な苦労が付きまといました。
その際に力添えをしたのが白水村の名主、大越甚六と加納作次郎。
加納作次郎の養子となった加納作平は石炭業に貢献し、明治33年(1900年)に有志によって記念碑が建立されました。

平蔵の勤勉さと人柄に心を打たれた人々が平蔵を助け、後世までその意志を継いでいった証をここで見ることができるのですね。

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小高く盛り上がっているのが石炭発見の地
平蔵と、協力者の高崎今蔵はおそらくこの一帯で大きな石炭のかけらを見つけたと思われます。
石炭を見つけた瞬間、二人はどれだけ嬉しかったことでしょうか。
盛り上がった場所を近くで見ると、石炭のかけらがホロホロと露出しているのが確認できました!

坂を上りきると…
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渡辺為雄さんが館長を務めるみろく沢炭鉱資料館が。
長年にわたり、炭砿関係のヘルメットやツルハシ、ランプなどの用具や資料が展示されています。

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この日は為雄館長みずから、燃える石こと石炭を目の前で燃やしてくれました!
炭鉱の時代、どこの家も夕方になれば石炭を炊いてストーブや家事につかっていたそう。
部屋を締めっぱなしにしていると臭いがすごく、一酸化炭素中毒にもなるので換気も必須だったとか。
当時のリアルなお話を聞かせて貰えるのもここならでは。

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為雄館長がトロッコを操作!
ガガガガガガガ!と音を立てて線路を駆け上がるトロッコにスタッフや参加者の皆さんも興奮!
トロッコを操作する様子は、資料館の中のモニターでも見ることが出来ます。

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資料館そばでは、石炭の露頭が見ることが出来ます。
ミルフィーユのようになったいくつもの層の中に石炭が見えます。

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みろく沢炭鉱資料館をあとに、スミの道の遊歩道へと戻ります。
火薬庫跡付近の遊歩道はアジサイが沢山植えられており、今の季節でも見ることが出来ました。

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人が穴の中に入り石炭を掘ったり運んだり出入りする原始的な採炭方法「狸掘り」の解説パネル。
そばには、浅いところを掘った場所が陥没した所も。
木々に囲まれながらザクザク歩きます。
天気も良いので、森林浴にピッタリ。

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人力で石炭を運ぶと疲れた事でしょう。
やせ馬を背負った人、たんがらを背負った人が休んだ場所。
炭鉱で働いた人たちが通った通勤路をどんどん進みます。

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山を抜け、住宅街を進むと願成寺とすぐそばに徳尼を祭神として祀っている常盤神社が見えてきます。
イチョウの木が1本あるのが目印です。
ここにはいわき市指定有形文化財の鉄製懸仏がありますが残念ながら直接見ることができません。
明治時代の神仏分離令によって多くの寺社が打撃を受けましたが、常盤神社は村社として村の人々が大切に守り続けられてきたことが伺えます。

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阿弥陀堂駐車場へ戻ってきました!
観光案内所で玉こんにゃくを頂きました♪
じっくりおダシがしみ込んだ、ぷりっぷりの玉こんにゃくとトロットロの里いも…あったかうま~~~!
歩いてお腹が空いていたうえに少し体も冷えていたので実に美味でした!

石炭で栄えた町いわき。
江戸時代、片寄平蔵が石炭と出会わなかったら今のいわきはどんな姿をしていたのでしょうか。
人々が懸命に生きた証が残るみろく沢石炭(スミ)の道、気持ちをタイムスリップさせながら歩くといわきの新しい見え方が見つかるかもしれません。

散策も炭砿(ヤマ)の案内人の皆さんの解説を聞きながらですと、色んなお話を聞かせて貰えたり時に笑いがあったり。
資料だけでは伝わりにくいような所もライブ解説があわさると楽しく知る事が出来ます。
ボランティアの皆さんと楽しくスミの道を歩きたい場合は、下記の連絡先までご連絡ください。
基本日・祝の案内ですが希望があれば平日でも対応していただけます。
是非お気軽にご参加ください。



炭砿(ヤマ)の案内人観光ボランティア現地案内

●案内日時
毎週日曜日・祝日 午前10時までの受付※雨天の際は中止
●受付場所
国宝白水阿弥陀堂駐車場内 観光案内所(いわき市内郷白水町広畑219)
☆平日でも希望があればご案内いたします。団体・少人数・個人問いません。

・コース 約2.5km 
・所要時間 約2時間半(解説付きでゆっくり歩いた場合)

【お問合せ先】
内郷まちづくり市民会議 炭砿「ヤマ」の案内人観光ボランティア事務局
電話:0246-26-3060(三室さん宅)

事務局では案内人観光ボランティアを募集しております。
興味がある方、体験・知識を生かしたい方是非ご応募ください。

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